事業紹介

日本文化を担う・漆の美展

日本の伝統文化の代表である漆は、日本の歴史と共に受け継がれ、各地で固有の風土、歴史に培われながら優れた伝統の美を創り出し、高度な美術から日常を飾る美として愛好され、親しまれてまいりました。

本展では、漆工の美術・文化を担う方々、漆器産業に携わる方、商として漆に関わる商工業の方々、漆の技を愛好する人達との幅広い層の方々と「共に学び、共に研鑽する」という制作発表の場を設け、「うるしの日」行事の一環として「漆の伝統美」を広げ、育むことを目的としております。

当協会は毎年、「日本文化を担う・漆の美展」を開催しており、優秀作品には、農林水産大臣賞、林野庁長官賞などが授与されます。

当協会の会員が出展できる展示会です。

「うるしの日」

「うるしの日」とは

漆は遠い昔から使われてきましたが、「漆の製法」「漆器の製造法」は、文徳天皇(もんとくてんのう)の第一皇子惟喬親王(これたかしんのう)が、いまだ完全でないのを憾みとされ、京都嵐山法輪寺に参籠され、本尊虚空蔵菩薩より御伝授、御教示を受けて完成し、日本国中に広めたものという伝説があります。

法輪寺の石碑には
「惟喬親王が当寺に参籠され、本尊虚空蔵菩薩より、うるしの製法と漆塗りの技法を御伝授されて完成し、日本国中に広められました。その参籠満願の日が11月13日といわれており、漆業関係者は当日をうるしの日と定め毎年、お詣りして漆業の発展を祈願しています。このように虚空蔵法輪寺はうるしにゆかりの深いお寺です」
と刻されています。

  • 法輪寺の寺伝『虚空蔵法輪寺要誌』の記述

「文徳天皇第一皇子惟喬親王は我邦に於ける漆器製法の未だ完全ならざるを慨歎し給ひ、当山に参籠し本尊に祈誓し、夢に高僧より伝授して漆下地、磨出法、継漆法等を完成し給ふ。爾来漆器製法の守護尊として漆器商家並其製造人は、毎月十三日報恩講を設けて本尊を供養し崇信すること現今各地に盛大なり。俗に継漆をコクソと称するは虚空蔵漆の転訛せしなりと云ふ。亦以て漆器製法の守護尊たるを知るべし」

「うるしの日」の制定

漆工界では、親王が法輪寺に参籠された伝説を記念して報恩講を設けて、供養することが習わしになっていました。そこで、1985年に日本漆工協会は11月13日を「うるしの日」と制定いたしました。

以後、各産地で「うるしの日」にちなんだ事業が開催されています。漆に携わる人々が一年の節目として、先人に感謝し、漆文化の発展を祈るために集うことは大切だと考えます。そして、一般の方が制作体験など漆と直接ふれあう機会は決して多くはない中で「うるしの日」を記念して研修会や講習会など実践的な取り組みが行われることは、漆文化を幅広い層に広げていく取り組みとして大変意義ある活動であると考えます。

「うるしの日」諸行事

「うるしの日」を記念して明治神宮で諸行事が実施されます。

●漆器奉納

●漆苗木授与

●漆工功労者、徳川宗敬賞、優秀漆工技術者、永年勤続漆工従業者の表彰式

 

 

●「日本文化を担う・漆の美展」の入賞者の表彰式

研究会

当協会は「うるしの日」を記念して研究会を行い、漆文化の普及啓発を行っています。

  • 第1回 2016年9月28日 藤戸伸治氏「神輿と漆塗り」
  • 第2回 2016年10月20日 鈴木明子氏「芝山細工と横浜芝山漆器」
  • 第3回 2017年10月6日   小林伸好氏「変塗りのデザイン」
  • 第4回 2017年10月28日 石幡賢治氏「漆面木面象嵌-材料ー」

 

第1回

第2回

第3回

第4回

体験会

当協会は漆に関する体験会を行い、漆文化の普及啓発を行っています

・第1回 2017年10月12.13.14.18.19日 簡単な蒔絵体験会

第1回 簡単な蒔絵体験会

見学会

当協会は漆に関連する施設を訪問し、漆文化の普及啓発を行っています

・第1回 2017年9月8日 パイロットコーポレーション蒔絵工房「NAMIKI」

第1回 パイロットコーポレーション蒔絵工房「NAMIKI」